生物学者のアメリカ暮らし。

Food Inc.

今更ですが、Netflixで Food Inc. を観ました(遅っ!)

内容はほとんど知っていたので、ビジュアルだけが目的でしたが、やっぱり影響力のある映画ですね。

私たちの食生活はこんなかんじなので、全オーガニック、ローカルというにはほど遠いですが、こういう映画を観るともうちょっと徹底しないとなーという気にはなります。

元々、牛の挽肉はNYTimes の記事(アンモニアで消毒されてる挽肉もあると知ったのはその時でした)を読んで以来スーパーでは買わないことにしていて、近所の小さな肉屋さんで挽いてもらうか、塊を買ってきてうちで挽くことにしていました。夏の間はファーマーズマーケットが頻繁にあるので農家から肉を買うのも簡単なのですが、冬はどうしようかと考えています。冬も続く CSA(community supported agriculture)もあるんですが、うちのは野菜&果物&卵なので秋に終わってしまいます。厳しい冬のある地域では冬でも地元でとれた物だけを食べるっていうのはほぼ不可能ですね(^ ^;

私も先日触れた移民問題、この映画でも取り上げられていました。
不潔で過酷な環境の精肉産業が違法滞在の移民を雇い、コストを下げる。違法滞在移民がひどい環境に文句を言えないことを利用して、消費者の「もっと安く」という要求を満たすためです。

この「安ければ安いほどいい」という消費者の要求が、食品産業が現在のようになってしまった要因の一つのようです。

私が憤りを感じたのは所得が少なく、父親が糖尿病、母も肥満で子供が二人の家族が、ファストフードを食べるシーン。
映画のスタッフと一緒にスーパーに買い物に行き、洋梨が高すぎるからって棚に戻すところが出てきます。果物一つに1ドル払うのを諦めて、「食事」になる1ドルバーガーを買ってしまう。時間もないし。でも、父親は糖尿病で失明するかもしれない。月々の薬代が高いので、健康的な食べ物は高くて買えない。と説明する母親。

米と乾燥豆(時間がないというのなら、缶詰でも)と、ケールやマスタードグリーンの安い葉っぱがあれば、4人分の食事は相当安く作れるのに。時間がないっていうけど、ファストフードレストランまで車で行く時間内でできてしまう料理だって沢山ある。
要するに、そうやってやりくり&スピード料理ができる人はあまりいないんですね。だから低所得層=肥満という、歴史的になかったことが起きてしまう。
そしてそういう人が多いから、食品産業はますます安くて満足感を得られる、ジャンクフードを売り続けることができるという悪循環が、さらに悪い方向へと向かってしまう...。

アメリカの食問題は、アメリカ経済、貧富の差、移民問題、健康保険問題、政治と大企業の癒着など、今アメリカが直面している諸問題が複雑に絡み合った問題なんだということを改めて確認できる映画でした。
職業柄何でも疑ってかかるので全部鵜呑みにするわけではないですが、誰でも一度は観ておくべき映画だと思います(とか偉そうに言って今まで観てなかった私)。
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by hamakkoinmidwest | 2010-07-14 06:50 | Comments(10)
Commented by Alice at 2010-07-14 08:40 x
私もまだ観てないんですが、この映画をアメリカ人と一緒にみても喧嘩にならないでしょうか?クジラとイルカを食べる日本を叩いている映画は、一緒にみると喧嘩になりそうでみる気がないんですが。スーパーサイズミーくらいだと楽しくみられますが、多分シッコは危険なので1人でみました。

前、これと似たようなのをアメリカのベジタリアンの友達に見せられてから、アメリカ留学中もアメリカの肉は一回も食べてません。

安くておいしくてヘルシーな食事ができるとわかってても、精神的にdepressedだとハンバーガーに走るという内容もありました。
Commented by hamakkoinmidwest at 2010-07-14 12:18
Aliceさん

アメリカ人と一緒に観ても喧嘩にならないと思いますよ。
ベジタリアンを押し付けるような映画でもないし。どちらかと言うと、観た後ファーマーズマーケットに行って採れたて野菜と健康に育った家畜の肉を買いたくなる気分になります。

この映画とは関係ないのですが、珍しい品種の家畜って、人間が食べないと滅びちゃうんですよね。まぁ、基本的に肉は少なめに、に越したことはないですが。

精神的に鬱だとバーガーって、最近の「脂っこい食べものがコカイン受容体を刺激する」って研究結果と関係あるんでしょうかね?
Commented by Alice at 2010-07-15 10:34 x
あると思います。でも単に鬱だと全く料理する気にならなくて、でもアメリカの外食ってハンバーガー以外はチップとか高いし、手っ取り早くて安いとなるとハンバーガーって気もします。ハンバーガー食べ続けるとやっぱり依存性出るらしいですし。

あと卵の話、勉強になりました。旦那は日本に来てから、炊きたてご飯に生卵+醤油にかなりはまって週三回は食べてます、笑
Commented by hamakkoinmidwest at 2010-07-15 12:12
Aliceさん

そうですねー、ドライブスルーもできるし。ヘルシーで手っ取り早いものってなかなかないですもんね...。

私も卵ご飯大好きなんですが、いまいちアメリカでやる気がしなくてまだ試してません。確率的に多分大丈夫だとは思うんですが。
Commented by Alice at 2010-07-15 23:13 x
アメリカの卵ご飯、いけますよ!私はそれこそ新鮮なちょっと高いやつを買って、殻の表面を洗剤つけて洗いました!要は表面だと思うし。一回もあたってません。最大のネックは、生卵を食べないアメリカ人に気持ち悪がられてごちゃごちゃ言われることです、笑
Commented by hamakkoinmidwest at 2010-07-16 00:25
Aliceさん

いやー、サルモネラって卵の黄身に感染することが稀にあって、白身感染の場合と違って増えるんですよね〜(^ ^;
微生物を専門にしてるとやたらと知らなくてもいいことが見えてきて嫌です。でも今度おいしいお米手に入れたらやってみようかな(笑
Commented by Alice at 2010-07-16 20:22 x
そうなんですか、知らなかったです。だとすると日本の卵でもありえますね。新しいとましですか?個人的には卵ご飯であたったことはないですが。
Commented by hamakkoinmidwest at 2010-07-16 20:58
Aliceさん

新しい方が安全には越したことはないですね。日本の方が生で食べることを過程して検査してるし、基準は厳しいと思いますが、アメリカでも当たる確率は0.00001%とかだったような気がします(ゼロの数覚えてないですが)。
卵ご飯は熱々ご飯で少し加熱されるから意外と大丈夫なのかも。なんだかんだ言ってこっちでも手作りマヨネーズとか、ティラミス、クッキー生地は生ですしね(生地を焼かないで食べる人多数!)。
Commented by unibuta at 2010-08-02 10:08
この映画たしか去年彼とみました。ショックでしたよね。
で、見たあとのディナーはオーガニック系の地元の素材を使っているレストランへGO! あれからだいぶ買い物するときにプロセスフードを買わないようになり、ファーマーズマーケットに行くようにしてます。全部きちんとは無理でも、すこしづつやって行けたらいいですよね。
Commented by hamakkoinmidwest at 2010-08-02 22:35
unibutaさん

お久しぶりです!
unibutaさんのブログエントリーを見た時は観ておこうと思いつつ、何も食べられなくなりそうで何となく避けていたのですが(笑)、いよいよ決心して観ました。かなりのバイアスがある映画だとは思いますが、この映画の影響力のおかげで少しずついい方向に変わってきていればいいですね。King Cornもそのうち観ようと思います。

私:Ph.D.をとるためアメリカに来て今はアカデミアとスタートアップの境に存在。夫:元コミットメントフォービックなアメリカ人医師兼研究者。アシスタントプロフェッサー。
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生命科学系PhDをとるため日本の大学卒業後アメリカに来て、当時MD/PhDコース中のPhDの方をやっていた彼と出会いました。彼のレジデンシーの間は国内で遠距離をしていましたが、フェローシップでこの都市に戻ってきたので、何年か一緒に住んでから結婚しました。体外受精の末恵まれた娘と3人暮らし。

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