生物学者のアメリカ暮らし。

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滞ってます

最近どうやってthesisをまとめるか、悩んでいます。なかなか前に進んでない気がしてちょっと焦ってきました。

論文は今のところ2つパブリッシュしたので、一つずつがチャプターになるとして、あとの諸々をどうにかまとめなくてはなりません。

ありがちなことにプロポーザル通りに事が進まなかったのですが、それでも無理矢理論文を出さなくてはなりません。この場合狙うジャーナルが低くなってしまうのですが、合計4本出せば多分許してもらえます(笑)。

ジャーナルにはもちろんランキングがあり、"Science", "Nature", "Cell" レベルがトップ。うちのプログラムからはこの辺を狙う人も少なくないです。

私は研究対象があまりhotでないので心配ないのですが、人によっては「スクープ」されてしまう人もいて、そうなったら本当に最悪です。スクープとは、同じ研究が違うグループにすっぱ抜かれてしまうこと。トップランクのジャーナルを狙うには何年も練り上げたデータが必要なので、論文を出すにも時間がかかります。その裏がスクープの恐怖です。分野的に危ないのは当たり前ですが癌やHIV。競争率が高ければ高いほど危険なのです。スクープの心配しなくていいのはありがたいですが、自分の研究が全く社会に貢献しないのが分かっているので、「一人前の科学者になるトレーニングである」と割り切っています。

卒業したら実際に役に立つ研究をするというのが今の所の目標です。
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by hamakkoinmidwest | 2008-07-27 08:02 | サイエンス/キャリア | Comments(4)

人それぞれ。

New York Timesに、面白い記事がありました。"When Mom and Dad Share It All"

記事はむちゃくちゃ長いので、短いビデオバージョンでちょっとは垣間見れます。

結婚するかも定かじゃないのに子育てのことを考えるのも何ですが、子育てを平等にシェアするためにキャリアの追求ではなく、敢えてパートタイム(週4日勤務や32時間勤務)を選択したっていうカップルを見てへぇ〜っと思ったので。

私のアドバイザー(associate professor)は女性です。40代半ばですが、小さい子供が2人います。
アドバイザーの旦那さんも教授で、子供の世話にはnannyとau pair(ベビーシッターをしながらホームステイする交換留学生)がいて、下の子も幼稚園に行く歳になったのですが、どう見ても旦那さんがあまり協力しているように見えません。
私のアドバイザーはどんなに忙しい時でも子供のために5時半に帰ります。週末に仕事に来ることは滅多にありません(ライフサイエンス系の助教授の多くは週末も仕事します)。

他のラボの教授(男)は、奥さんが企業で働いていて早く帰れないため、その教授が子供を迎えに行くため早く帰ります。

どこかで聞いたことがあるのは、男女関係なく、周囲の人は子供を迎えに行くため定時で帰る母親に対し「また早く帰るんだ」という反応をするのに、男性だと「良いお父さんね」と反応するという無意識なジェンダーバイアスがあるということ。

サイエンスの世界にいると、特にアメリカでは、女性のキャリアとファミリーの両立の問題をよく耳にします。私が知る限りでは、仕事か家庭のどちらかが犠牲になっているケースばかりです。
お互いにキャリアがあるカップルが家庭を築くのって、相当なコミットメントですね。
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by hamakkoinmidwest | 2008-06-14 10:34 | サイエンス/キャリア | Comments(4)

fellowship

私の彼はphysician scientistというカテゴリーに入ります。医者でもあり、研究者でもあり。biomedical researchと臨床の架け橋となる人々です。こっちの大学院には、MD/PhDコースとかMedical Scientist Training Programと呼ばれるものがあり、メディカルスクールと大学院が一挙に終了できてしまいます(長いですが)。

レジデンシーをする病院の振り分け、いわゆるMatchは有名ですが、レジデンシーが終わった後のより専門的なトレーニングである、フェローシップにもマッチがあります(医者のトレーニング期間って本当に長いですねー)。

元々は、レジデンシーをしている病院でフェローシップもする予定だったのですが、プログラムがあまり気に入らなかったので他の病院にすることにした彼。いくつかプログラムにアプライしたところ、第一志望のプログラムに入れず(っていうかアプリケーションの締め切りが過ぎていた気がするんですけど!)、第二志望のうちの大学病院に。

そうなんです。ここに戻ってくるのは、第一志望に落ちたからなんです。
第一志望だったら、さらに遠くなってしまいそれから先どうなるか不安だったのですが、ここに戻ってくるということになり、

これって運命!?

と一瞬思ってしまいました。
私のために戻ってくるわけじゃないんですけどねー。
でも、彼のフェローシップに合わせて卒業して彼のいる所で職を探す、というとてつもなく難しそうなことをしなくて済みました。

私は今まで、付き合っている人のために進路を(どこに住むかも含めて)変えない という信念を守ってきました。だからアメリカ留学もスタートしたし、大学院にも入ることができました。

私がこんなに変わってしまったのは、遠距離に疲れた(過去の2人とも遠距離でした)のか、歳をとったからなのか、それとも彼がそこまで大切なのか。多分全部混じってると思います。私って弱い人間...。
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by hamakkoinmidwest | 2008-06-13 06:59 | 彼の仕事関連 | Comments(6)

job hunting

先日、unofficial な面接をしてきました。

ライフサイエンス系の大学院生は、PhDをとったあと、postdoc(postdoctoral research fellowship)をするのがふつうの進路ですが、直接企業に就職する人もいるし、law schoolやbusiness schoolに行ってさらに学位をとって特殊な職に就く人もいます。

まだ卒業の見込みが正式に決まっていないのですが、職探しを始めるのは1年くらい前からと薦められています(実際に実行する人は少ないのですが)。
特に今の景気では、企業にしろアカデミアにしろ、職探しは困難です。
うちのクラスに、卒業したはいいけど就職できないというPh.D.就職浪人しているクラスメートがいます。彼の奥さんがうちの大学の病院でレジデンシーをしているため、職探しもローカルだけに限られていることがかなり厳しいそうです。
そういう私も、彼がせっかくここに戻ってくるので、ここで職が見つからないとまた遠距離になってしまいます。そのため早く就職活動を始めました。

こういう状況を2-body problemと言って、プロフェッショナルの世界ではとてもよくあることです。私のボスも、西海岸と東海岸で5年くらい遠距離してから結婚し、その後も同じ都市で仕事が見つからなくて今の大学に来るまでは遠距離結婚だったそうです。

私は今はmedical scienceに属していますが、卒業したらbioenergyの分野へ移行するつもりです。いろいろと理由はあるのですが、感染症の分野にいて、本当に社会に貢献したかったらやることがとても限られていること、それと「良い研究」をすることがかけ離れていること、などが主な理由です。
原油が近いうちに枯渇することが分かっていながら、次世代エネルギーがまだ準備できていない。これはとても恐ろしいことです。

面接をした教授はうちの大学にいて、最近bioenergyの研究を始めた人です。ここ数年でどういう研究をしてきたか、じっくりと話してくださり、研究分野を変えようとしている私に対してとてもencouragingな人でした。

もう一人、前に話をした教授は有名な教授なのですが、アカデミックな考え方を変えることができない人で、基礎研究を応用と繋げられなさそうなので望み無しでした。

今回話した教授は応用にとても肯定的で(長年教授やってるから考え方を変えるのが難しかったと認めていましたが)、私がゆくゆくは企業で働きたいと思っていることにも、それはとても良い考えだと思う、と言ってくれました。

元々アカデミアに残るつもりはなかったのですが、何となく先が見えてきた気がしてうれしいです。あとはがんばって卒業しなくては(汗)
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by hamakkoinmidwest | 2008-06-10 02:59 | サイエンス/キャリア | Comments(2)

私:Ph.D.をとるためアメリカに来て今はアカデミアとスタートアップの境に存在。夫:元コミットメントフォービックなアメリカ人医師兼研究者。アシスタントプロフェッサー。
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生命科学系PhDをとるため日本の大学卒業後アメリカに来て、当時MD/PhDコース中のPhDの方をやっていた彼と出会いました。彼のレジデンシーの間は国内で遠距離をしていましたが、フェローシップでこの都市に戻ってきたので、何年か一緒に住んでから結婚しました。体外受精の末恵まれた娘と3人暮らし。

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